Appleが11月17日からITunes Storeで、初めてビートルズの楽曲の配信を開始しました。
この17日の前日には上記の画像が世界中のAppleのトップページに変わり、一体何が起こるのかと騒然としましたが、結果としては、iTunesのクラウド化やストリーム配信などではなく、ビートルズの楽曲の配信のみという結果でした。
これだけ見ると、たったそれだけでどこがそんなにすごいんだと思ってしまいますが、今回のビートルズの楽曲の配信によりAppleとアップルレコードとの関係が180度変わったことになります。
今までのAppleとアップルレコードの裁判勝敗は1勝2敗とAppleが負けていたので、これの2社が仲良くなるだけでもすごいこと何ではないかと思います。
今までAppleとアップルレコードとの関係は最悪で、初めて裁判ざたになったのは1978年です。
Appleがパソコン関連の商品にappleの名前を世界中で使えるようにアップルレコードに交渉しました。
その結果1981年に、1100万円の金額をアップルレコードに払うことで使用許可が貰えたのですが、この時の条件に「Appleは音楽分野には手を出さないよ」という条件があったのです。
しかしながら、時代の変化に伴いパソコンは音楽を扱えるようになりました。
もちろんAppleも例外ではなく、1989年にAppleが音楽機能を追加したパソコンを発売します。
アップルレコードはこれを見逃すことなく再びAppleを訴え、こんどは34億円もの賠償金を払うことで決着がつきました。さらに、今度はAppleが音楽事業に参入する際は、「Apple」という名前とリンゴのマークは使わないという条件が加わり、Appleは負け続けます。
だが、懲りることなく2003年にAppleはiTunesという音楽配信サービスを行います。
これはさすがに音楽事業に参入していると断言できるもので、誰もが今度も負けるんだろうと思っていましたが、今回は違いました。
ジョブズはアップルレコードに対して「iTunesは音楽を流しているのではない、単にデータを転送しているだけだ」と苦し紛れなことを言い裁判に臨みます。
普通に考えたら、こんな言い訳で勝てるはずがないと思いますが、裁判所はジョブズの意見を支持し、初めてAppleが裁判で勝ちました。
その後、ジョブズは「ビートルズを愛している。ビートルズの曲をiTunesで配信するために協力できることを望んでいる」と言っており、今回ジョブズは長年の願いだったビートルズの曲をiTunesでの配信することができたのです。
Appleにそんなに興味のない人は、なんとも思わないかもしれませんが、少なくともジョブズやApple社員は忘れられない日になったのではないでしょうか。
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