これを見たら未来を作ることが出来るとは限りませんので、ご了承ください。
時代の先を行く製品を作るためには2つの方法があると思う。
1つは今ある技術を積み重ねて、新しいものを作る技術的な方法。
もう1つは、これからの技術はこうあるべきだと決めて、新しいものを作る哲学的な方法。
前者は例えばスティーブ・ウォズニアックが挙げられる。ウォズニアックはAppleを作った一人で、ウォズの魔法使いと呼ばれるコンピュータの天才である。彼は学生のときにホームブリューコンピュータクラブでAppleⅠを作り、それをきっかけにAppleを設立します。
AppleⅠは当時非常に優れたコンピュータで、同時期に出たアルテア8800と比べてもそれ以上のパフォーマンスがあったと言われます。されにそれを個人で作ったことも驚きです。
ウォズのコンピュータの作り方は、今ある技術を基に凄いものを創り、それから何が出来るようになるのか考える方法なのです。
一方後者のやり方は、コンピュータで言えばアランケイが挙げられると思います。アメリカ人と日本人で同名とは珍しいのですが、アランケイは日本人の安蘭けいではなく、アメリカ人のほうです。
彼はパソコンの原型を作ったような人で、GUI搭載のALTOを彼が中心に作りました。その延長線が今のパソコンです。
また、彼はXeroxの傘下のPARCで働いていたのですが、そこも会社なので利益を上げなければならない。そうした利益を追求しなければならないこともあります。しかし、彼はこう言います。「未来を予測する最善の方法は、それを発明することである。」と、将来は今の延長線上にあるのではなく、自然の摂理に乗っ取り、自らが考え未来を作り出すことが出来るといい、それをPARCの理念としたのです。
また、BOSEも哲学的な考え方から製品を作ります。例えば101MMというBOSEを代表する製品があるのですが、それは世界一売れているスピーカーとしてギネスブックに載っています。
このスピーカーは今までのスピーカーのあり方を根底から変えたものなのです。今までのスピーカーは良い音質は大きいスピーカーからでないと出ることはないという常識がありました。つまり音質とスピーカーの大きさは比例関係にあるというものです。しかし、101MMは小型スピーカーで高音質という今までの常識を覆してしまったものなのです。
これは販売してからもうすぐ30年が経つのですが、今でも売れ続けている製品でこれからも現役のスピーカーであると思います。
確かにスピーカー技術は年々上がっており、101MMより良いスピーカーは結構あります。しかしながら、まだ売り上げでは勝つことが出来ていません。なぜならば、今作るものが30年たっても売れるようなものではないからです。最近の電子製品はサイクルが短く、1年も経ってしまえばその製品は時代遅れになってしまいます。
そうした中で何十年経っても売れ続けている製品も少なからずあるでしょう。それらは今の時代に合わせたつくりをするのではなく、いつの時代でも対応できるものが多いのではないでしょうか。
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